〜2026年の抱負〜
着実に、しかしラディカルに

新しい年を迎えるにあたり、昨年を振り返ると、オリゾンシステムズにとって多くの挑戦と前進が重なった一年であったと感じています。アジア進出への足掛かりを築き、4月の大阪・関西万博関連イベントへの参画、7月および11月のチェコ共和国での産業イベントへの参加など、グローバル市場に向けた具体的なマイルストーンを積み重ねることができました。これらの活動を通じ、国や文化、ビジネス慣習の違いを超えた対話の重要性を改めて実感するとともに、当社の技術や姿勢が海外においても一定の評価をいただける可能性を感じる機会となりました。 また国内向けの動きとして、浦和レッズ様へのご支援を開始できたことも、私たちにとって大きな出来事です。サッカーを愛する社員が多い当社にとって、地域に根ざし、世界へ挑戦するクラブを応援することは、単なるスポンサー活動にとどまらず、企業文化や価値観を共有する象徴的な一歩でもありました。

ビジネスの面では、厳しい市場環境の中でも安定した推移を確保することができました。加えて、関西事業所の開設により、これまで以上に多くのお客様と直接向き合い、迅速かつ柔軟にソリューションをお届けできる体制が整いつつあります。本年もこの流れを止めることなく、一歩ずつではありますが、確実に新たな挑戦を積み重ねてまいります。


お客様の問題解決に向けて

本年、私たちが最も大切にしたいと考えているのは、「何を売るか」ではなく「何を解決するか」という原点に立ち返ることです。自社の製品やサービスをお買い上げいただくこと自体を目的とするのではなく、お客様が日々直面している課題や不安を理解し、それに対してどのような価値を提供できるのかを起点とした活動を徹底していきます。

その象徴的な取り組みが、ネットワークトラフィックおよびセキュリティ監視ソリューションであるFlowmonを軸とした提案活動です。これまでのように製品の多機能性やスペックを中心にご説明するのではなく、「現在抱えている課題がどのように可視化され、どのように解決へとつながるのか」を具体的なシナリオとしてお伝えすることに注力してまいります。 Flowmonは、ネットワーク監視やセキュリティ監視の分野で高い評価をいただく一方で、「運用が難しそう」「導入後の体制に不安がある」といった声や、「要件は合致しているが、導入に踏み切れない」というご意見も多く頂戴してきました。こうしたお客様の率直な声にお応えする形で、昨年はFlowmonを活用したセキュリティイベント監視サービスおよびトラフィック可視化サービスを新たにリリースしました。

本年はこれらのサービスをさらに進化させ、運用負荷の軽減や導入ハードルの低減を図るとともに、業種や規模を問わず、より多様なお客様のニーズに応えられるサービスメニューの充実を進めていきます。お客様の立場に寄り添い、共に課題解決を進める「伴走型」のパートナーであり続けることが、私たちの目指す姿です。

ご提供するソリューションの方向性

これまで当社が取り扱ってきた海外ソリューションは、着実に市場での認知を高め、安定したお問い合わせや引き合いをいただけるようになってきました。Flowmonを中心としたソリューション群は、一本の幹から枝葉が広がるように、新たな技術やサービスとの連携を生み出しています。この広がりは、単なる商材ラインアップの拡充にとどまらず、国境を越えた企業との信頼関係の構築という、組織にとって貴重な財産となっています。

海外ベンダーとの協業を通じて得られるのは、技術そのものだけではありません。異なる文化や価値観、ビジネススピードに触れることで、社員一人ひとりの視野が広がり、組織全体の柔軟性や創造性が高まっていることを実感しています。このような内側から生まれる活力を、日本のお客様のビジネス推進という形で還元することが、当社の重要な役割だと考えています。

本年は、既存ソリューションの深掘りと並行して、相互に補完し合う新たな海外ソリューションの検討・導入も進めていく予定です。ただし、単に話題性や新規性を追うのではなく、「お客様の課題解決に本当に寄与するか」「既存の環境と無理なく統合できるか」という観点を重視し、慎重に選定していきます。 当社が目指すのは、点としての製品提供ではなく、線や面として価値を生み出すソリューションの提供です。複数の技術を有機的に組み合わせることで、より実践的で持続可能なIT基盤をお客様と共に構築していきたいと考えています。

ビジネス・トランスフォーメーションへの投資

AI技術の進展は、今や一過性のトレンドではなく、ビジネスの前提条件そのものを変えつつあります。当社においても、AIを単なる業務効率化の手段として捉えるのではなく、将来的にはソリューションの中核を担う要素として取り込むことを視野に入れた取り組みを進めています。

例えば、運用データやセキュリティイベントの分析にAIを活用することで、これまで人手に頼っていた判断や予測をより高度かつ迅速に行える可能性があります。一方で、情報の取り扱いにおける安全性や、AIが導き出すアウトプットの妥当性・説明責任といった課題も無視することはできません。技術的な可能性とリスクのバランスを見極めながら、段階的に活用を進めていく姿勢が求められています。

そのため本年は、社内における検証環境の整備や、社員のリテラシー向上への投資にも力を入れていきます。AIを「使われるもの」として受動的に捉えるのではなく、「使いこなすもの」として主体的に向き合うことで、初めてお客様にとって意味のある価値を生み出せると考えています。

ビジネス・トランスフォーメーションは、一朝一夕で実現するものではありません。しかし、小さな実験と学びを積み重ねることで、数年後には大きな差となって表れると信じています。当社はその変化を恐れず、むしろ楽しみながら挑戦を続けてまいります。


終わりに

円安の長期化、不透明な国際情勢、先行きの見えにくい経済環境など、私たちを取り巻く状況は決して楽観できるものではありません。しかし、そのような時代だからこそ、「お客様にとって本当に価値のあるソリューションとは何か」という問いに向き合い続ける姿勢が、より一層重要になると考えています。この視点だけは、どのような環境においても決して変わることはありません。 本年はオフィスの増床も予定しており、お客様との打ち合わせスペースやプロジェクトルームの拡充、よりセキュアで快適な執務環境の整備を進めていきます。社員が安心して働き、自由に議論し、新しいアイデアを生み出せる場を整えることが、結果としてお客様への価値提供につながると信じています。

新しい年も、オリゾンシステムズは一つひとつのご縁を大切にしつつ、現状に甘んじることなく着実に、しかし大胆に前に進んでいきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

代表・菅 健一