

~チェコと日本、未来を共創する~
Czech-Japan Business Resilience Forum 2025開催
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2025年7月25日、東京・日本国際協力銀行(JBIC)本社の9階講堂にて、「Czech-Japan Business Resilience Forum 2025」が盛大に開催されました。本イベントは、駐日チェコ共和国大使館、チェコ産業連盟、一般財団法人海外投融資情報財団の共催によるもので、セキュリティ、防衛、先端ソフトウェア技術といった分野で日チェコ両国のビジネス連携を一層強化することを目的としています。
本フォーラムでは、両国の政財界から著名な登壇者が集い、基調講演、企業プレゼンテーション、そしてネットワーキングセッションが行われました。会場には防衛、航空宇宙、危機管理、AR/VR、PropTech、サプライチェーンマネジメントなど多岐にわたる分野の企業や団体が参加し、B2B形式での商談も活発に交わされました。
共創による持続的なパートナーシップに向けて──開会挨拶から見えたフォーラムの意義

フォーラムの冒頭では、チェコ共和国のペトル・パヴェル大統領が来賓挨拶を行い、日チェコの長年にわたる友好関係に触れながら、文化・スポーツ・経済といった多方面でのつながりを紹介しました。音楽ではドヴォルザークや坂本龍一、スポーツでは柔道家ルカーシュ・クルパレク選手や、日本の北口榛花選手がチェコを「第二の故郷」と語ったことなど、両国の結びつきの強さを具体例で述べました。
大統領は、今日の国際環境において「繁栄と安全保障はもはや不可分」であり、政治・ビジネス・科学など多層的な協力が“選択肢”ではなく“必要性”であると強調。民主主義という共通の価値観を守るためにも、経済関係の深化が重要であり、それが両国のレジリエンス強化にもつながると述べました。
その後、登壇した防衛省の小林一大政務官は、チェコを防衛戦略上の同盟国と位置づけ、日本最大級のサイバーセキュリティイベントにチェコ企業が参加した実績を紹介。「本フォーラムは両国の絆を象徴する重要な場」とし、産業協力全体のさらなる展開を願う旨を述べました。
また、日本商工会議所の小林健会頭は、「レジリエンス」の名を冠する経済フォーラムが初めてであると述べ、現代の不安定な国際情勢における象徴的なキーワードだと説明。10月にはチェコ(プラハ)を訪問予定であり、現地産業との対話やチェコ大統領への表敬訪問も視野に入れていることを共有しました。トヨタやパナソニックといった日本企業によるチェコ進出が進む中、サプライチェーン拠点の更なる拡充にも意欲を示しました。
防衛・セキュリティ分野の協力

午前の前半では、防衛とセキュリティ分野における協業の可能性に焦点を当てたセッションが行われました。まずチェコ企業の紹介の後、日本の防衛産業基盤に関する展望が国際安全保障産業会議(ISIC Japan)から発表されました。続いて、チェコ共和国大使館 チェコ軍事・航空アタッシェ(武官) マルチン・コウパル中佐が、チェコの防衛産業の強みと日本との協力の余地についてプレゼンテーションを行い、活発な質疑応答が続きました。
後半のセッションでは、ソフトウェアとIT分野における連携がテーマとなりました。日本のIT市場に関する展望(在日チェコ商工会議所 -CCCIJ- による発表)に続き、当社からは「Securing the Future Together: How Czech Tech Became Our Key to Success in Japan(共に未来を切り拓く:チェコの技術が日本における成功の鍵となった理由)」と題するプレゼンテーションを行いました。
発表では、当社がこれまでにチェコの先進IT企業──たとえばFlowmon Networks(ネットワーク可視化)、AXENTA(セキュリティ監視・分析)、TNS(ペネトレーションテスト)、Phonexia(音声認識テクノロジー)など──と築いてきた技術連携の実例を紹介いたしました。日本国内における実装と運用支援の経験を通じて得た知見をもとに、チェコ技術の導入が日本の企業や社会にいかに実効的な価値をもたらしているかについて、お話をさせていただきました。
当該プレゼンテーションでは「オリゾンシステムズがチェコ企業との協業に力を入れているのは、単なる代理店契約の枠を超えた”共創”による価値の最大化にある」とし、文化や商習慣の違いを乗り越えて成果をあげるには、技術的適合性のみならず、相互の理解と信頼が不可欠であることをお伝えさせていただきました。
ネットワーキングと商談の場としての価値

フォーラム終盤には、参加企業・団体によるネットワーキングおよびB2Bミーティングの時間が設けられました。会場では活発な議論と名刺交換が交わされ、特に防衛や危機管理分野の実務担当者による具体的な技術紹介や、ソフトウェア企業同士の今後の技術連携に向けた打ち合わせが目立ちました。
会場では、チェコのスタートアップ企業と日本の中堅企業が将来的な協業の糸口を見つけたり、政府関係者を交えて規制や制度面での情報共有を行ったりと、単なる名刺交換にとどまらない深い対話が随所で行われていました。特に印象的だったのは、言語や文化の壁を越えて、技術者同士が具体的なプロジェクトベースでの可能性について、熱心に意見を交わしていた点です。
また、いくつかの企業間ではすでに次回の訪問やオンライン会議の日程調整に入っている様子も見られ、今回のフォーラムがビジネス創出の“起点”として機能していることが実感されました。
今回のフォーラムは、両国が直面する共通課題──地政学リスク、サイバーセキュリティ、サプライチェーンの強靭化──に対し、相互補完的な関係で乗り越えていこうとする意志の象徴でもありました。 今後もオリゾンシステムズは、チェコの優れた技術と日本の市場ニーズを結ぶ橋渡し役として、信頼性の高いソリューションを提供し続けてまいります。