ミラン・プロコップ選手を迎えて

日本語 |English

記憶に残る名場面が思い出される昨年のWBCでしたが、日本戦で活躍されたチェコのミラン・プロコップ(Milan Prokop)選手が、この度BCリーグ 神奈川フューチャードリームス の入団オファーを受け、来日されました。プロコップ選手は弊社ともかかわりの深いチェコ共和国・ブルノ市出身で、日本戦では9回表でバッターボックスに立っています。来日間もない3月6日、弊社にご来社いただいたプロコップ選手にお話を伺いました。

プロコップ選手インタビュー

(今回球団のオファーを受けて入団を決断されましたが、その背景を教えてください。)

私の父も野球人で今はコーチをしています。母は遠い国へ行く息子を心配していましたが、父も母も今回日本で私が野球をすることを力強く後押ししてくれました。父の野球のプレイスタイルはチームでの勝利を目指す日本の野球と近く、それもあって私が日本野球にチャレンジする機会をいただけたことを父は大変喜んでいます。日本野球はフィールディングが巧みで、極めて学ぶところの多い野球スタイルを持っていることから、技術的なこと以外にも大きく自分自身を成長させることのできるチャンスととらえています。


(昨年のWBCの日本との試合はいかがでしたか。)

私たちチェコチームの選手は、それぞれ野球以外の本業を持つアマチュアチームにもかかわらず、世界最高峰のWBC日本チームが私たちに敬意をもって対応いただいたことは、とても印象深い経験でした。佐々木投手の速球や、オーストラリア戦で見せた大谷選手の特大のホームランなど、世界的な選手と試合ができたことは、私にとっては夢のような時間でした。また技術や力だけでなく、他者へのリスペクトなど、スポーツのあるべき姿を改めて学ぶことができた貴重な機会だと思っています。韓国との試合後のチェコ大使館での 懇親会 でも、オリゾンシステムズ社はじめ多くの有志の方々に歓迎いただき、その後のオーストラリア戦への励みになりました。


(日本という国の印象はいかがでしょうか。)

まずは東京の近代的な街並みに圧倒されています。チェコではプラハや私の出身地のブルノなど、典型的なヨーロッパの古い街並みを特徴としていますが、東京の街並みは近未来の都市を訪れたような錯覚を起こさせます。歴史の厚みのみならず、経済大国としてどのような経済活動が行われているのか等も、個人的にとても興味のある部分で、練習の合間にそのような日本という国の様々な側面も学んでゆきたいと思っています。

(チェコでの野球への関心はどうなのでしょうか。)

WBC前まではチェコではあまり人気の高いスポーツではありませんでしたが、最近では一般の関心も高まってきているようです。先日のWBC日本対ヨーロッパチーム戦では、チェコでもテレビ中継がされるほど、注目が集まってきています。いつか “チェコの野球熱は、このころから始まった” と振り返ってもらえるような存在になってゆきたいと希望しています。


インタビューを終えて

現在はブルノの大学を休学して日本でチャレンジしようとしているプロコップ選手ですが、日本のプロリーグに在籍するチェコの選手としては、過去に石川ミリオンスターズに所属したヤクブ・スラデック選手に次ぐ2人目となります(神奈川県民球団・植山氏)。スポーツを通して、日本・チェコ両国の交流がさらに進むことを願っています。先日政府レベルでも 航空協定 が結ばれ、近々日本からプラハへの直行便も期待でき、両国がますます近くなる時代に入ってまいりました。

初めてのインタビューということで、やや緊張気味のプロコップ選手でしたが、先日21歳の誕生日を迎えたばかりの青年のチャレンジする姿に、私共も新鮮な感銘を受けました。オリゾンシステムズでは今後のプロコップ選手の活躍を願い、社員一同プロコップ選手を応援してまいります。