Flowmonとの歩み

弊社オリゾンシステムズにとってFlowmon製品販売事業は重要なビジネスの一つで、弊社自身を特徴付ける事業領域ともなっています。またその開発会社となるFlowmon Networks社(本社:チェコ共和国・ブルノ市)との関わりから、今日のチェコ共和国のIT各社との協業の広がりが生まれていることも、弊社にとっては重要な意味を持っています。2012年に正式に取り扱うこととなったこのFlowmon製品の、弊社との関わりについてご紹介をさせていただきます。


国内総代理店事業の開始

2011年3月、Flowmon Networks社(以下Flowmon社)は日本に担当者を置き、ビジネス活動を開始しました。 奇しくもその時期は日本を大災害が襲ったタイミングとなり、Flowmonも又極めて不透明な日本での船出となってしまったのかもしれません。 当時オリゾンシステムズ(以下オリゾン)では、取り扱う海外製品の調査検討を行なっており、Flowmonの製品評価も進めていました。Flowmon社の日本での活動が開始されるとほぼ同時に、オリゾンとしてのFlowmon製品取り扱いの判断も固まり、3.11後の混沌の中、その準備は着々と進められてゆきました。

そして2012年2月、オリゾンはFlowmon社と正式契約を結び、Flowmon製品の日本販売総代理店としてビジネス活動を開始することとなります。オリゾンでの取り扱いはFlowmon社にとっても始めてのアジア圏進出となり、またオリゾンにとっても始めての本格的な海外製品の取り扱いとなり、両者にとって手探りのスタートであったかもしれません。規模は現在の比ではありませんが、お客様の認知度も徐々に上がり、事業を開始して二年後の2014年には、オリゾンはFlowmon社より優秀賞を受賞するに至りました。

※ 右写真盾の「INVEA-TECH」はFlowmon社の旧社名となり、表彰もINVEA-TECH社よりのものとなっています。


ビジネスの成長

当初は数人の専任担当者を置き、営業活動・技術支援合わせて対応をはじめました。当時を振り返ると、現実はなかなか思う通りにはゆかず、取り扱いを始めて5年ほどはお客様からの引き合いも今日ほどの力強さもなく、社内でもやや肩身がせまい思いで担当チームは社内の事業進捗会議に参加していました。その後、パートナー様やお客様のソリューションの認知度も上がって行き、徐々に案件によってはFlowmon製品を前提とした案件とも多く関わることができるようになりました。このころから積極的にオリゾンとしてもサポート体制の強化を図ってきた経緯です。

一般的に海外製品の場合サポートやお客様の様々な対応に危惧する場合がありますが、オリゾではFlowmon社との連携を密にとり、お客様満足度の向上には細心の注意を払ってきました。現実としてはFlowmon社にもできることとできないことがあり、またお客様側にも許容できる範囲とそうは行かない背景があります。代理店の重要な役割としては、その両サイドの要件をすり合わせ合意点を見つけ出すことと認識しています。Flowmon社側にもお客様の事情を理解してもらい、最善の可能な手立てを打ってもらう。お客様へもFlowmon社側の技術的・ビジネス的現状をご理解いただき、妥協点をご検討いただく。この作業に努力を惜しまない姿勢が、今日のFlowmon製品のビジネスの成長を支えてきたと私どもでは認識しています。


事業の変遷

企業は生き物で、刻々とその形を変えてゆきます。Flowmon社は2020年11月、米国Kemp Technologies社(以下Kemp社)の傘下に加わることを発表しました。そして2021年9月、そのKemp社は米国Progress Software社(以下Progress社)による買収を受けることとなります。これらの変化は多くのFlowmon製品のお客様を抱える弊社にとって、激震ではありましたが、それぞれ早い段階で製品の取り扱いおよびサポートについては何ら影響を受けないことが確認でき、関係者皆が安堵した様子は記憶に新しいところです。

一方この買収により、製品的にはグローバルに広く顧客層が広がることとなったため、それにより製品への投資も拡大し、より優れた製品をお届けできることになるであろうことから、総じて好ましい変化と今では認識しています。Progress社のその製品ポートフォリオの中で、さまざまなインテグレーションなども行われてゆき、より拡張性のあるソリューションへと成長が期待されます。また製品は機能拡張だけでなく、その品質の維持またはより良いものを求めることが、お客様に広くご利用いただくためには重要となります。総代理店としてはお客様の声を開発側に連携または代弁することが、一つの重要な役割となるため、引き続きFlowmon社開発部門との連携を密にとる姿勢を継続する予定です。


今後のFlowmonについて

Flowmon製品の観点からは、Flowmon社は公的支援も含め、大学との 共同研究 で実践的な技術開発を行っており、これまで同様それらの成果は逐次製品機能として実装されてくるものと期待されています。またネットワークモニタリングで高い定評をいただいているFlowmonは、今後も新たなプロトコルや業界標準等の追従など、網羅性の高い機能の提供が続けられるものと弊社でも考えております。

オリゾンの視点ではFlowmonを活用した ITシステムの連携ソリューションのサービス提供を、推進して行きたいと考えています。FlowmonではRESTなど汎用APIや個別スクリプトでの外部インターフェースもサポートし、自動遮断など、様々な運用効率化が実現可能です。これらの外部インターフェースを活用し、これまでのサービスでご提供してきた様々なインテグレーション実績を生かしたメニューを、オリゾンではご提供して行く予定です。また今現在Flowmon製品をご利用のお客様からご要望を受けている、Flowmonを利用したSOCサービスもご提供できるよう検討を進めており、近々ご案内ができるものと考えております。


終わりに

コロナ禍のさまざまな制限が解除され、多くのお客様でビジネス活動が本格化してまいりました。それに伴いFlowmon製品への引き合いもコロナ禍前を凌ぐほど多く頂戴するようになりました。今後は、弊社もProgress社との連携をさらに深め、お客様へ安心してご利用いただけるIT環境の実現と維持のため、引き続き対応させていただきたいと考えております。Flowmonという製品を軸として、広くネットワークの安全な運用に関わるソリューションを、オリゾンとして開発しご提供してまいります。