認証インフラの総合企業、MONET+

先の2月19日に、協業検討を進めているチェコ共和国 MONET+社 Jiří Změlík氏の来社を受け、今後の具体的なステップについて意見交換を行いました。営業部門の責任者となる同氏および関係技術者と、これまでWeb会議ベースで情報交換を重ね、今回初の対面でのインターロックセッションとなりました。

MONET+社の認証関連ソリューションは、シングルサインオン基盤をはじめ、スマートカードや電子署名および電子証明書のライフサイクル管理など、幅広く認証に関わる領域を、自社開発にて対応している点が特徴となります。


社会を支えるセキュアインフラ

MONET+社は1996年より企業活動を開始した、多くの金融機関交通インフラに展開実績を持つ、チェコのテクノロジー企業です。チェコ国内外の交通機関のキャッシュレス乗車システムはじめ、EUではほぼ標準化されている、企業間でやり取りされる文書への電子署名など、多様なユースケースの事例をもっています。幅広いソリューションにより、まだ日本国内では一般化されていない一部のケースにも、単一のベンダーで対応可能です。多様なユースケースに応じて、複数のベンダーを利用する必要はありません。日本国内でのソリューションコンポーネントとしての活用の他、特にヨーロッパ市場への参入をご検討されている企業様にも、検討価値のあるソリューションと期待されます。


テクノロジー・ポートフォリオ

MONET+社の持つ技術およびソリューションは、ユーザーアプリケーションからバックエンド処理まで、End-to-Endのプロセスをカバーしています。

スマートカード関連では、カードに搭載されるチップのアプレットや、そのカードによる認証機構および支払い処理に関わるバックエンドシステムまで対応しており、特にセキュリティー分野では、この一貫したソリューション提供は重要な意味を持ちます。またクレジットカードのICチップ搭載統一規格EMVに準拠した機構でも、同様にカード読み取り端末からバックエンド処理までのソリューション展開実績を多く持っています。

認証関連では、モバイルアプリにより各種多要素認証への対応、文書への電子署名やSAML/OIDCなどの標準認証連携の仕組みも、システム基盤として整備されています。 またデジタル証明書の管理機構も提供しているため、セキュリティー基盤の展開の後、その安全で効率的な運用も可能となっています。

個々のテクノロジーは業界標準に従うため、何か固有なものではないですが、これらをシングルベンダーが自社開発でお客様にご提供できるという点が、お客様の求める多様なビジネスシナリオへの柔軟な対応を可能とし、保守も含め使い勝手の良いシステムの構築に有用な点になると考えられます。


安全性と利便性のバランス

「日本国内においては文書等のデジタル署名は、今後本格的な普及期に入るフェーズと考えています。一方、本人確認が重要となるこのソリューション分野では、EUが一歩先に進んでいると言えるでしょう。今後私どもがソリューションデザインをしていくうえでは、そのEUにおいて当該ソリューションを展開している、MONET+社の製品群が大きな力になると期待しています。」(ソリューション第二事業部・部長、菅野洋行 -写真右-)

今後の当該分野では、セキュリティーを高め且つ使い勝手を損なわないユーザーインターフェイスやプロセスが求められます。弊社の持つソリューションとの連携で、シームレスなデザインをお客様にご提供できると考えております。 GoodAccess ではロールベースのアクセス制御をIPレベルで実現可能で、MONET+のProIDはすでにGoodAccessとのインテグレーションが用意されているところも、その魅力のひとつです。GoodAccessのユーザークライアントへのログイン時に、顔認証や指紋認証など、使い勝手が良くより高い安全性を担保する仕組みの付加が可能です。また音声認識 Phonexia との連携構築などにより、個々の要件に即した様々な認証シナリオが実現可能と考えています。

また、 Flowmon で検知したマルウエアに感染した可能性のあるユーザーについて、一時的に認証を不可とし感染の拡大を早い段階で阻止するなど、セキュアなIT運用をパッケージング化することにより、安全性と利便性のバランスの取れたソリューションのご提供を考えてゆきたいと思います。


終わりに

MONET+社は、弊社の協業するチェコ企業の多くが集中するチェコ共和国ブルノ市に開発拠点を持ち、本社をBrno市近郊のZlin市に構える、セキュリティー専門企業となります。Zlin市には、特に欧米で広くグローバル展開する靴メーカー Bata も本社を構え、起業家精神の旺盛な土地柄です。オリゾンシステムズでは、優れたテクノロジーをベースとした新たなソリューションの選択肢をお客様にお届けできるよう、引き続き活動してまいります。