Kemp社の製品戦略とブランディング
2021年8月6日
昨年のKemp Technologies社(以下Kemp)によるFlowmon Networks社の買収を受けて、これまでの継続的なFlowmon製品の機能強化の他、Kempの主要製品であるLoadMasterとのシナジーが今後期待されています。このコラムでは、そのような期待されるKempの目指す戦略とブランディングの方向性についてまとめてみました。
ポートフォリオの拡張
Kemp LoadMasterは、アプリケーションなどへの通信負荷を複数インスタンスに分散するためのロードバランサー製品ですが、WebアプリケーションへのHTTP(S)リクエストをフィルタリングして脅威となるものを検知・防御するWAF (Web Application Firewall)機能、アプリケーションへの認証をシームレスに行うためのSSO(シングルサインオン)機能など、さまざまなセキュリティー機能を合わせて装備しています。ロードバランシング及びこれらの機能を合わせ、Kempでは「Always On, Applicaton Experience」として、可用性の高い、セキュアなアプリケーション利用環境を実現するためのソリューション提供を行ってきました。
Flowmonを新たに製品ポートフォリオに加えることで、Kempはこの「Always On, Application Experience」のより網羅的な展開が可能となりました。LoadMasterは上のように、アプリケーションとユーザーからのアクセスの境界を管理する製品となりますが、Flowmonによってその実効範囲がネットワーク全体に拡張されます。Flowmonのネットワークのパフォーマンス可視化によって、アプリケーション利用の障害となるパフォーマンス劣化の原因が特定可能となり、また問題箇所の把握が容易になりました。セキュリティー視点では、境界内外における脅威の可能性を振る舞い検知により洗い出し、システム全体のセキュリティーを担保します。
ブランディングの融合
Kempではこの製品の方向性を踏まえ、FlowmonおよびLoadMaster両製品ポートフォリオのブランディング融合を徐々に開始しています。すでにグローバル版Flowmon製品の最新リリース(v11.01.07以降)では、Kempカンパニーロゴやイエローを基調としたKempのカンパニーカラーへと製品画面デザイン等が変更されています。以下がすでに実装された画面例となります。
弊社のWebサイトにおいても、今後は徐々にこのブランディング融合に追随し、適宜刷新された製品紹介ページをご覧いただく予定です。
Kemp社のプロファイル
ここで改めてKemp社についてのご紹介です。Kemp Technologies, Inc.は米国ニューヨークに本社を置くグローバル企業で、ヨーロッパはアイルランド・ドイツ、南米はブラジル、アジアではシンガポールに主要拠点を置き、昨年Flowmon Networks a.s.を傘下に収めチェコをその主要開発拠点とする事業拡大を実現しています。その主要製品となるLoadMasterは、これまで既存顧客数は25,000をこえ、全世界138カ国に展開し、多くのお客様にご利用いただいている製品となります。Flowmon社のCTOであったPavel Minarikが新たに Kemp社のCTOに就任していることからも、Flowmon製品の持つテクノロジーを核とした製品開発が今後期待されています。
年初より本格的に進められてきたKemp/Flowmon両社の様々なオペレーションの統合も順調に進み、今後はより付加価値の高いソリューション開発へとフェーズが進んでゆくものと期待されています。
まとめ
このようにグローバルに既に築かれたKemp社のビジネス基盤と、Flowmonの持つテクノロジーが融合し、新たなブランドとして確立してゆく動きが明確になってきました。弊社では今後もお客様の問題解決にお役に立てるソリューションのご提供を目指し、活動を展開してまいります。
◆Flowmonについて、より詳しく知りたい方は、下記の資料をぜひご覧ください。
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関連情報
Kemp社によるFlowmon社買収の発表
LoadMasterへのFlowmon Probe機能(Network Telemetry)の移植
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